pronunciation, linking, 発音、リンキング

【音声付き】リンキング練習でリスニングも上達|「音のつながり」を練習して英語のネイティブ発音に

pronunciation, linking, 発音、リンキングリスニングが苦手な方によくある悩みに、「どこまでが1つの単語で、どこから次の単語が始まるかが分からない」というのがあげられます。これは、音と音のつながりを意味するリンキングや、音の省略などを理解することで分かりやすくなってきます。今回はマンデラ氏の名言で音のつながりを練習していきましょう。

南アフリカのアパルトヘイトに反対する闘争活動のために、27年間も刑務所で過ごしたネルソン・マンデラ。そんな彼の名言の1つがこちら。

 

It always seems impossible until it’s done.
成し遂げるまでは何でも不可能に思えるものだ。

今日はこの名言を使って発音の練習をしていきます。文章レベルではなく、まずは単語レベルでポイントを説明していきます。登場する音をポイントごとに録音してみましたので、納得いくまで繰り返し聞いてみてください。「説明は別にいらないから発音だけ知りたい」 という方は、見出しのところだけ見てみてください。

 

it = イッ

it は t の子音で終わっています。「イット」と「 t の子音 + o の母音」 にならないのは当たり前ですが、文章レベルになると、子音の  /t/ はほとんど聞こえない(言わない)のです。

 

 

always = オーウェイz

ここで少しだけ、音声学・音韻論の話になります。日本語と英語では、音節の発音の仕方が異なります。音節とは、「感じる音のカタマリ」を意味しています。

 

例えば、「いぬ」という言葉は、「い」と「ぬ」という2つの音節(音のカタマリ)があります。「オールウェイズ」ですと、「オー」「ル」「ウェ」「イ」「ズ」と5つの音節があります。

 

文字数と音節数は必ずしも同じではなく、音節は「音のカタマリ」です。日本語で言う 「オールウェイズ」は5つも音節がありましたが、英語の always2音節で発音します。つまり、「オール」「ウェイズ」という2つの音のカタマリに分けられるのです。

 

この違いは、そもそもの言語のタイプが違うので仕方ないことです。(正しく言うと、日本語は 「音節リズム言語」 に対して、英語は 「強勢言語」 です。)

 

あまり深く入り込むとテーマが変わってしまうのでここでやめますが、ポイントは、英語の音節数(音のカタマリの数)にあわせて音を乗せることで 「ネイティブっぽさ」 が出せる、ということ。

 

いずれにしても、「オーウェイz」と勢いよく発音するようにすれば大丈夫です。最後の z の音は、「ズ」と母音までしっかりは発音せずに、「ズ」の最初半分の音だけを「ウェイ」にそっと添えるイメージです。

 

 

it always = イロ―ウェイz

今の2つの単語を組み合わせると、これに近い音になります。最初の単語 it の最後の音 t という子音です。次の単語 always の始まりの音は a という母音です。2つの単語間で 「子音 → 母音」という並びになると、「リンキング」という現象が起き、音を引きずる感じになります。t と a が合わさって、/ta/ /to/ /do/ /ro/ に近い音が作られます。

 

 

 

always seems = オーウェイスィームz

英語は、発音に関してはものすごく省エネな言語です。例えば、It’s snowing! (雪が降っている!)という文章を発音するとき、it’s は s で終わり、snowingは s で始まっています。 /s/ の音が連続して2回続きます。しかし、2回言うのは大変なので1回に省略してしまいます。

 


イッスノゥイング

 

このルールを踏まえて always seems を見ると、always は [s] で終わり、seems は [s] で始まります。always の s は正確に言うと /z/ の音ですが、次の音が /z/ にとても似ている /s/ の音なので、ほぼ同じと考え省略できます。

 

 

It always seems = イロ―ウェイスィームz

ここまでのをまとめると・・・

 

 

impossible = インポッスィボー

unbelievable が 「アンビリーバボー」 になるように、-ble で終わる単語は 「~ボー」 に変えましょう。

 

able → エイボー

table → テイボー

flexible → フレクスボー

 

 

 

seems impossible = スィームズィンポッスィボー

ここでまた「リンキング」が登場します。seems は s の子音で終わり、impossible は i の母音で始まります。seems は s で終わっていますが、発音は /z/の音です。その /z/ の音と、impossible の /i/ の音をリンクして、/zi/ になるため、

「スィームズィンポッシボー」 になります。

 

 

until = アンティゥ

あまり知られていないのですが、英語の L の音は、love のように語頭に来るときと、until のように語尾に来るときでは、若干音が違います。語尾にくるときは、小さく、控え目に「ぅ」 を付け足しておくとそれらしく聞こえます。

 


e-mail → イーメィゥ

apple → アッポゥ

baseball → ベィスボーゥ

 

 

 

until it’s = アンティリッツ

たった今、until は「アンティゥ」と説明したばかりなのですが、文章レベルで見ると次の単語 it’s は i の母音で始まっています。it always のところであったように until it’s は、単語間で「子音→母音」になっているので、/l/ と /i/ の音がリンクして、「アンティリッツ」 になります。

 

 

done = ダン

これは、このままで大丈夫です。

 

 

 

最終形


イロ―ウェイスィームズィンポッスィボー アンティリッツダン

 

 

 

発音でリスニングも上達

さて、タイトルには、「発音を練習するとリスニングも上達する」と書いてありますが、それはなぜでしょうか。

 

リスニングが苦手な方によくある悩みに、「どこまでが1つの単語で、どこから次の単語が始まるかが分からない」というのがあげられます。これは、正に今練習してきたリンキングや音の省略などでつまづいているということです。

 

確かに、until it’s done「アンティル」「イッツ」「ダン」と認識していると、「アンティリッツ ダン」と言われてもピンとこないかもしれません。今回のように音と音のつながり方を意識して練習すると、単語が集まって文章になったとき、どのような音で単語同士がつながるかが分かるので、聞き取るときもそれを意識できるようになります。

 

この他にも文章のリズムや強弱なども練習すると、グッとネイティブ発音に近付きます。それはまた今度書きますので、それまでは今回のマンデラ氏の名言を繰り返し練習してみてください。

 

 

 

 

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