100%でなくても、言われたことにある程度は納得。話の内容がある程度は理解できた。ある程度は準備を始めた。などなど、完全にではなくても「ある程度」というシチュエーションはよくあります。今回は「ある程度」という表現と、語彙量を劇的に増やす方法にも触れていきます。
今日のフレーズ
to some extent
ある程度
extentという言葉は「範囲」 「広がり」という意味です。つまり、to some extentを直訳すると「少しの範囲まで」という意味になります。
例文
I agree with you to some extent.
ある程度はあなたと同意見です。
What Steve says is true to some extent.
スティーブが言うことは、ある程度は真実だ。
The 2 categories overlap to some extent.
その2つのカテゴリーはある程度重なり合う。
Your report will improve to some extent by choosing more appropriate words.
語彙選択をもう少し見直せば、あなたのレポートはある程度改善するでしょう。
I’ve started preparing for my presentation to some extent.
ある程度はプレゼンの準備を始めた。
接辞語
ここでガラッと変わってクイズです。次の漢字の読み方をご存じでしょうか。
丁髷
正解は、「ちょんまげ」 だそうです。読めましたか?なぜこんなことを突然聞いたかというと、実はちょんまげに extent という言葉の語源を読み解くヒントがあるからです。
恐らく「丁髷」という漢字を書ける人は少なくても、何となく読み方を当てられた方は多いのではないでしょうか。それは、なぜでしょう。それは、「丁」という漢字で 「ちょう」 という音を想像し、「髷」 という漢字で、何となく “髪の毛っぽさ” を感じ、その二つの情報を合わせて 「ちょんまげ」 が連想しやすいからです。
このように漢字は、たとえ知らない字であっても、その音や意味をなんとなく部首などから推測することができるものです。(もちろんできないものもありますが・・・)そして、実は、英語にも同じようなことがあります。
extent という言葉の意味は、最初に「範囲」や「広がり」と確認しました。しかし、これのどこから「範囲」っぽさが感じ取られるのでしょうか。それは、接頭語と接尾語というものからです。学生時代に聞いたことがある方もいると思います。接頭語とは単語の前に付き、接尾語は単語の後に付くことでその単語に意味を含ませるものです。
分かりやすい例を挙げると、review(見直す)という単語。re- は「再び」という意味を持つ接頭語です。その接頭語に view (見る)が付くことで、「見直す」「復習する」という意味になるのです。接尾語もよく知られたもので -er, -or があります。動詞の最後に-er, -orを付けることで、「それを行う人」になりますね。
teacher は teach する人、つまり先生。
inventor は invent(発明)する人、つまり発明家。
例えば TOEICなどで inventorという知らない単語が出たとします。invent の意味を知らなくても、-or がついているので 「inventする人かな?」という想像がつきます。しかも、「どうやら名詞らしい」という品詞の情報だけでも、場合によっては「ここで名詞は別に重要じゃないから気にしないことにしよう」と排除できることが多いのです。
もちろん、-er, -orで終わる単語が全て人を表すわけではありませんが、まったく情報がゼロで推測もできない状態よりかは、「人かもしれない」という想像がつくだけでもテストでは大きな助けになることがあります。
今日のフレーズに出てくる extent もしっかりと語源があります。ex-という接頭語には、「外へ」という意味があります。
exterior = エクステリア、外装、外見など
exit = (外に出る)出口
external = 外側の、外部にある、外国との
-tent, -tend, -tens には、「伸ばす、広げる、張る」という意味があります。
tent = テント (骨組みを伸ばして組み立てる、ピンと張って使う)
tension = 緊張(ピンと張ること) ※日本語でよく言う 「ハイテンション」 は、英語では「高い緊張状態」という意味になる和製英語です!
attention = 注意・注目 ( at- ~(方向)に、の方向へ注意を伸ばす)
そして、今日のフレーズに出てくる単語 extent も、「ex- 外へ」 「-tent 広げる」 → 範囲、広がり
という意味で成り立っている単語だったのです。英語にはこのような接頭語と接尾語が沢山あるので、ボキャブラリーを爆発的に増やしたい方は、接頭語と接尾語を勉強することをおすすめします!
今回の内容、ある程度ご理解いただけましたか?
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