仮定法と聞くと難しい印象ですが、ややこしい文法用語はほぼゼロにし、色を使ってビジュアルで分かりやすく説明してあります。これが使えると英語力は大きくステップアップします。また、会話にも奥行きが出てくるので表現できる範囲が広がり楽しいですよ。さぁ、イマジネーションをフルスロットルにして、読み進めていきましょう!
「もし5億円が当たったら何に使う?」
「明日、雨が降らなかったら何しようか?」
「昨日あんなに飲まなかったら終電を逃さなかったのに」
「あぁ~~もうぅ、忙しい!分身の術でも使えたらいいのに!」
「スマホがなかったら生きていけない!」
こんな妄想や後悔を英語で言う時に使うのが仮定法です。「仮定法」と聞くと、学生のときに苦労した人も多いかもしれません。英語アレルギーのきっかけになりやすいのもこの仮定法です。しかし、冒頭のような「イマジネーションの世界」を表現できる仮定法は、本当はとても楽しいものです。難しい言葉はなるべく省き、色を使って「イマジネーションの世界」を表現していきましょう。
「イマジネーションの世界」を表現するときは、そのイマジネーションがどれくらい実現可能なのか、そしていつについてのイマジネーションなのかで種類が分かれます。
今回は、現実には起こり得ない現在・未来の世界を表現します。
現実には起こり得ない現在・未来(仮定法過去)
「10億円持ってたら君に家を買ってあげるのに」
でも、実際は持ってないので買えないとします。(大半の人がそうでしょう)イマジネーションの世界を話すときに最も大切なのは、文章を2つに分けて考えることです。
もし~だったら、~するのに
「もし10億円を持っていたら家を買うのに」
ビジュアル的に分かりやくするために、最初の「もし~だったら」の部分は赤で、「~するのに」は青で表現することにします。そして、この超非現実的な現在や未来を話すときのルールは、これ。
If 過去、would
ついに”if”が登場しましたが、恐れるべからず。大丈夫です。次のように考えます。
if 過去 = もし~だったら
would = ~するのに
先程の10億円の文章ですが、もし普通に「私は10億円を持っている」と言いたいときは、I have one billion yen です。しかし、現実は持っていません。そこで、イマジネーションの世界に飛びます。
もし私が10億円を持っていたら・・・
これは、「もし~だったら」の赤い部分にあてはまります。ルールでは、「もし~だったら = If 過去」なので、If I had one billion yen, です。これで文章前半が出来ました。
文章の後半、「~するのに」は青い部分、つまりwould の部分です。もし普通に、「私はあたなに家を買う」と言うのであれば、I will buy you a houseです。しかし、実際には買いません。ルールでは、「~するのに = would」なので、I would buy you a house. になります。これで後半の完成です。
文章の前半と後半を合わせると・・・
もし10億円持っていたら家を買ってあげるのに
If I had one billion yen, I would buy you a house.
練習問題
では、次の文章です。
「車を持っていたら明日はディズニーランドまで運転していくんだけどね (でも、持ってないから電車ね)」という文章を英語にしてみましょう。
まずは、色分けで考えます。
もし~だったら、~するのに
車を持っていたら明日はディズニーランドまで運転していくんだけどね
こうなりますね。
車を持っている = I have a car ですが、実際は持っていません。
そこで、イマジネーションの世界へ。
車を持っていたら = If I had a car,
明日はディズニーランドまで運転していく = we will drive to Disneyland tomorrowですが、実際は運転しないので、再びイマジネーション・・・
we would drive to Disneyland tomorrow
※主語が”we”になっているのは、「私たちは車で一緒に行く」というニュアンスが入っているからです。
2つを合わせると、
If I had a car, we would drive to Disneyland tomorrow.
もう1つ例文を見ます。
「分身の術が使えたら、一緒に海に遊びに行くんだけどな(でも仕事なので無理)」これを英語にします。
まずは単語の確認からです。
分身する = split myself into two(直訳:自分を2つに割る)
↓
分身できる = can split myself into two
私はあなたと一緒に海に遊びに行く = I will go to the beach with you
前半と後半で考えると、
分身できたら = If I could split myself into two
一緒に海に遊びにいくのに = I would go to the beach with you
合わせると、
分身の術が使えたら一緒に海に遊びに行くんだけどな
If I could split myself into two, I would go to the beach with you.
※語尾が「行くのに」「行くんだけどな」などと変わるのは、その時の雰囲気・ニュアンスや話し手が誰かによるので、ご自分の判断で変えてOKです。
最後の例文です。
「もし私があなただったらYESと言うよ。」
まずは、フレーズを確認しましょう。
私はあなたです = I am you.
YES と言う = I will say YES.
ここで、ワンポイント!
am や is が登場する文章をイマジネーションの世界で表現するときは、wasではなく were が使われます。主語が I でも were, 主語が he/she/it でも wereです。(カジュアルな会話では wasが使われますが、文法的にはwereが正解です。)
このワンポイントを踏まえて、イマジネーションの世界に飛びます。
私があなただったら = If I were you ←変な感じがしますが、合っています♪
YESと言うのに = I would say YES
合わせると、
If I were you, I would say YES.
文章の前半と後半(If と would )の順番
ちなみに、赤と青の部分は順番を逆にしても同じ意味です。
10億円持っていたら家を買ってあげるよ
If I had one billion yen, I would buy you a house.
I would buy you a house if I had one billion yen.
どちらも同じ意味です。
しかし、赤のif を含む部分が最初に来るときはカンマが必要です。青が前に来るときは、カンマは不要です。
もし○○だったら・・・
今回の現実には起こり得ない現在・未来の世界を表現する方法ですが、
もし~だったら、どうする?
という質問にも使えます。
例えば、
What would you do if you only had 24 hours to live?
もしあと24時間しか生きられなかったら何をする?(どうする?)
What would you do if you found a wallet?
もしお財布を見つけたらどうする?
What would you say if you were me?
もしあなたが私だったら何て言う?
などなど。
I wish…
また、「~だったらよかったのに」という現時点で叶うことのない願いを表すときにも I wish と一緒にすることで使えます。
フランス語が話せたらよかったのに。(勉強すれば話せるようになるかもしれないが、今は話せない)
I wish I could speak French.
「話せたら」という部分が、「もし話せたら」にあたるので、赤くしてあります。考え方としては、If I could speak French (もしフランス語が話せたら)
また20歳に戻れたらいいのに。(20歳だったらよかったのに)
I wish I were 20 again.
If I were 20,…(もし20歳だったら・・・)
この世にテストなんてなければいいのに。
I wish there were no tests in this world.
If there were no tests,…(もしテストがなかったら・・・)
【合わせて読みたい】